どんな高級ソファでも「一生物のソファ」なんて物は存在しません。

高級ソファ

ソファと一言でいっても、様々なランクのソファが存在しています。
安価な東南アジア産のソファもあれば、ヨーロッパ、イタリア製の超高級セレブ向けソファもあります。素材も布張りから合成皮革、最高級のレザーまで様々です。内部の構造や使われている素材によって、その座り心地には天と地ほどの差があり、価格の差となると想像もつかないほどの違いがあります。同じ様な形のソファの2人掛ソファでも片方は安物で9,800円でもう一方は超有名インポートブランドで数百万円なんてこともあるわけです。そこまではいかないまでも4〜50万のソファは海外ブランドでは普通にあります。
高い家具を手に入れて「これは一生物だ」などど言うことがありますが、無垢の木の家具はともかく、革張りソファ等では「一生持つ」なんてことはありません。普及品のソファの革張りと同じように痛んできます。丁寧にメンテナンスすれば「一生持つ」と言うブランドがあったらそれは嘘です。高級なレザー素材は耐久性を上げる仕上げがされていて、比較的長持ちすると言っているに過ぎません。

確かに高級革張りソファのレザーは美しく手触りが違います。

一般的に高級なレザー素材であるほど、薄くてしなやかなレザーが使われています。分厚く硬いレザーが高いという印象はまったく間違いです。
原料である革の仕上げには、塗装の選び方による違いで「顔料」、「セミアニリン」、「ピュアアニリン」と、3つのグレードに分けられます。細かい説明は省略しますが、一般的な仕上げが「顔料」で、最高グレードが「ピュアアニリン」仕上げになります。
ただ、美しいだけにデリケートな存在になりがちで、引っ掛ければ傷がつきますし、傷みも早くなります。

革張りソファ

内部のフレームやクッションの耐久性は大きな差があります。

人の手に触れる皮革部分は、何年も使うと間違いなく痛んできます。これはどんな高級ソファでも避けることはできません。
内部の見えない木製フレーム構造やクッションの素材も同じように痛んできますが、この部分に関しては廉価版と高級ソファでは大きな差があるのも事実です。しっかりとした構造でヘタリの少ない座り心地を実現しているのは、やはり高い評価を得ている高級ブランドのソファが圧倒的に優れています。

年代を経た風合いが楽しめるのは確かに高級ソファならでは。

何年も使い続けてそれなりの姿になった時に、しっかりとした高級ソファは「風合い」に見えますが、安物ソファは「ボロい」姿になります。一般的に安物ソファは外観の見栄えを出来るだけ安価に施しているので、外側がはげて来ると内部の安物部分が見えてきます。高級ソファは外観も内部の素材も一流です。使い込んだなりの風格が出てくるのです。

それだけの高級ソファなら、リストア修理して使い続けると確かに「一生物」になります。

one-living-thing-leathersofa

一生持つソファは存在しませんが、高級ブランドの品質の高いソファは痛んできたら修理やリストアをして使い続けることも可能です。安価なソファでは下手をすると修理代の方が高くなってしまって修理しようと思う人はほとんどいないと考えられます。
海外では親から子へ何代もソファを使い続けて、痛んできたら修理をして使い続けることは珍しくありません。これはそのソファが高いかどうかということではなく、何十年も一緒に暮らして来たソファへの愛着の現れなんだと思います。修理代が掛かっても大切に使い続けたいのでしょう。

身も蓋もない話ですが、本物のセレブは普通に買い替えます。

これは身も蓋もない話になってしまいますが、超高級ブランドのソファを買う様なセレブの方々は、修理なんかしません。レザーに傷みが目立って来たら、あっさり買い替えてしまいます。一生同じ家具を使うこともありません。まあ、そういう人達も世の中にはいるということです。