革のなめし

素材となる皮の用意ができると、次に行われる工程は「なめし」です。そのままでは硬かったり、腐ってしまう動物の皮を、製品の素材として使用するために行う防腐処理や、革を柔らかく保つための処理を「なめし」と言います。古くは叩いたり、擦ったり、揉んだりして線維を分解していましたが、その後、煙で燻したり、動植物の油を塗ったり、植物の渋(タンニン)に漬け込んだりしてより効果的に柔らかくすることにより「なめし」の技術は発展していきました。現代ではタンニンなめしやクロムなめしなど様々ななめし方が開発されてきました。なめしの工程によって、出来上がりの革の種類にも違いが出てきます。

革のなめし3つの方法「タンニンなめし」「クロムなめし」、そして両方を使った「コンビネーション」

「タンニンなめし」は昔から行われている伝統的ななめし法です。植物の葉や根などから抽出するタンニンを使い、仕上がりまでに1か月から3か月ほどの長い時間がかかりますが、より革本来の風合いを楽しめる素材となります。耐久性は、クロムなめし法で仕上げられた革よりも落ちますが、土に廃棄したとしても有害物質が一切発生せずに土に帰るため環境にも優しいと現在でも評価されています。

古くから行われてきた「タンニンなめし」に対して、「クロムなめし」は100年ほど前にドイツで開発された技術です。もともとは軍事用に開発された技術でクロム鉱石を利用してなめすので、「タンニンなめし」よりも原料が手に入りやすいですし、安価に大量に生産できるというので、世界に広がりました。クロムでなめされた革はタンニンなめしの革と比べて、火に強く、変色が少なく発色も良く、また弾力性があり加工しやすいなどいくつもの長所があります。

「混合なめし」「コンビネーションなめし」とは、2種類以上の「なめし製法」の特性や長所を活かした「革のなめし製法」です。作りたい革の用途や目的によって、人が必要な特性に手を加えられる科学的な「なめし製法」です。「タンニンなめし」ほどの仕上がりにはなりませんが、タンニン風レザーの感じを出すことが可能な「なめし製法」です。しかもタンニンなめしの風合いを「クロームなめし」と同じようなコストで製作することが出来るので、現在では最もポピュラーな「レザーのなめし製法」となっています。混合なめしはクロームなめしのあとにタンニンなめしをおこないます。

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